回想形式の『海がきこえる』
夏にジブリ作品を振り返ろう会を開催中。(一人で)
で、現時点で見終わった作品が
・風立ちぬ
・風立ちぬ
って感じ。
で、今まであんまり気にかけなかった作品が『海がきこえる』なんだけど、これがすごくよかった。今でいうエモいってやつ。
どうやら『海がきこえる』は、ジブリ作品の中で唯一テレビ放送された作品なんだとか。
簡単に言っちゃえば、地方(高知)に住む男子高生(杜崎 拓)と東京から転校してきた女子高生(武藤里伽子)の恋愛模様を描いた作品。
本作品に、ジブリ特有の絶妙な奇怪さや伏線はないし、『耳をすませば』ほどのストレートすぎるキュンポイントもないんだけど、どこか、懐かしくて、どこか、切ない感じ。
なんでこんなに懐かしく思えるんだろうって考えたときに、本作品がすべて過去のこととして語られる回想形式であるからだと気付いた。
大学生になった僕(杜崎 拓)が高校時代の記憶を辿る。その記憶がまた絶妙にしょっぱい。全然甘くないところがいいんだよね。
里伽子は、両親が離婚したことが理由で高知にやってくるわけ。
その所為もあって、とにかく性格がどキツイ。こんな女、私だったらこっちから願い下げってくらい。
でも拓も子供なところあったりで、結局高校時代の二人は、全然うまくいかない。
それでも、回想している拓には、やっぱり未練、というか、すきだったんだなあって気持ちがわかる。
結局、最後高知ではなくて、東京の駅のホームで再会する。
あらすじはこんな感じ。平凡でしょ。
私も、これに近い青春時代送ってたなあって振り返ってみたり。
すべてを語らないところとか、しょっぱい思い出ばかり思い出しちゃうところとか、そういうところがとてもいいなあって思った。
で、ここからが本題なんだけど、私も高校時代にそれなりに恋愛生活を充実させてきたわけなんだけど、結局、最後らへんは悲惨。思い出したくもないくらい。
とにかく、自分に酔ってたし、恋に溺れてたような気がする。
私より真面目で努力していて報われている彼だったから、とにかく気に食わなくて意地悪ばっかりしてた。里伽子よりひどかったかも。(笑)
今再会したとしたら、開口一番「ごめんなさい」て言う。
そんな彼から、つい最近インスタグラムでリアクションがきて、何通かやり取りする機会があった。
その中で、『海がきこえる』と同じ「あの頃」の話になった。
彼は、「懐かしい思い出ってことで」って言ってくれた。
懐かしい思い出、って言われてなんかめっちゃ虚しくて悲しかった。
思い出は、自分の中にあればいい。懐かしいなんて口にしちゃだめなんだな。って思った。
ああ、もう彼に会うことはないのだろうなっと少し思った。
でももはや会わないことが一番虚しくならない美しい思い出なのかもしれない。
【追記】
「私、緑って大っ嫌い!!!」って吐いてコークハイ飲む里伽子がとにかく最高なので、みてみてね。